ころさんとのお見合い当日。時間は午後3時から。ヽ(・∀・)/ウキウキ


けれどたまは午前10時に家を出る・・・


なぜ?なぜって・・・・・


それは銀行員Cさんとのお見合いが午前11時からだから・・・


アドバイザーA「銀行員Cさんの為だけに日にちを割いて頂くのは気が引けますので、ころさんと同じ日にしましょう。ころさんとのお見合いの方を後からにして時間を気にせずゆっくりと。Cさんとはころさんとの前の少しの時間で済ませましょう。」


たま「∑(・ω・;)えっそんなことができるんですか?(していいんですか?ひととして。)」


アドバイザーA&B「私どもに安心しておまかせください。むふっ」


というわけで、まずは銀行員Cさんとのお見合いとなった。


相談所の応接室でまず顔を合わせて、その後二人で相談所を出てお茶するなり、ドライブするなり、お好きにどうぞとのこと。


緊張しながら相談所に着くと、すぐにアドバイザーAが出てくる。


アドバイザーA「お相手の方、もう応接室でお待ちだからすぐ始めましょう。」


アドバイザーAに連れられ、応接室に入る。


担当のアドバイザーBに付き添われ、ソファに腰掛ける銀行員Cさん。


私たちもソファに座り、自己紹介が始まる。


自己紹介といってもアドバイザーがしてくれるので、当の本人たちはそれに頷いて、「よろしくお願いします。」とだけ言っておけばいいようだ。


簡単な自己紹介が終わったところで、見計らったようにドアがノックされ、若い女性スタッフが桜湯を運んでくる。


桜湯・・・なんかおめでたい気持ちになってくる。ここにいる人たちみんながたまと銀行員Cさんがうまくいくことを願い、全力を尽くしてくれてるような・・・見ればCさんもさわやかでなかなかの青年ではないかヽ(´∇`)

乗り気でなかったCさんとの見合いだが、ここは気持ちを入れ替えて真剣に取り組もう。


アドバイザーAがたまを褒めちぎり、アドバイザーBが銀行員Cさんを褒めちぎる、というお決まりのパターンがしばらく繰り返されると、「じゃ、あとはお二人で。」とCさんと二人きりにされてしまった。


「お茶でも飲みに行きませんか?」とすぐにCさんが言ったので、たすかった・・・


相談所のスタッフの「いってらしゃいませ!」という声を目いっぱい浴びながら、外へ出てくのはなんだか恥ずかしい。


Cさんの運転する車で、海のそばに建つ大きなホテルのラウンジに行く。


相談所から車で30分。ホテルに着いた時点で午後12時を過ぎてる。


本命のころさんとのお見合いが後に控えてると思うと、ついつい時間が気になる。


「Cさんには2時間で切り上げるよう言っておきましたから。」とアドバイザーAが相談所を出る時こっそり私に言った。


ホテルの1階にはボーリング場やゲームセンターがある。


すぐにエレベーターで最上階のラウンジに向かうのかと思ったら、Cさんは「あっち」と笑顔でゲームセンターを指差す。


ユーホーキャッチャーにお金を入れ、取り始めるCさん。


突然の行動に不思議に思ったが、ゲーセン好きのたまはすぐに真剣に見入ってしまった。


二人で「あーっ惜しい!もうちょっとだったねー。」などと言い合いながら、Cさんは三回目くらいで大きなミッキーマウスのぬいぐるみをとる。


笑顔で「はい!」と差し出され、「ありがとう。」とミッキーを受け取る。


なんだかユーホーキャッチャーのおかげで打ち解けた二人。Cさんは最初からそれが目的だったような気がする。だとしたらCさんってなかなかのツワモノ??


その後ラウンジでお茶を飲み、いい雰囲気で話も弾む。ラウンジを出る前、たまが化粧室に言ってる間にチェックを済ませていたCさん。なかなかスマートだなぁ。好印象!


Cさんの車に乗り込み時計を見る。1時過ぎ・・・


さぁてどこで降ろしてもらうかな。3時からまた相談所の応接室でころさんとのお見合いがあるけど、まさか相談所の前で降ろしてなんて言えないしな。○○デパートの前がいいな。あそこから相談所まで歩いて15分くらいだし。○○デパートには2時前には着けるだろうから、どこかで軽くお昼をとって、それからゆっくり歩いて相談所に向かうとするか。


考えがまとまったところでCさんが口を開く。


「お昼つきあってよ。いいよね?おいしいパスタのお店があるんだ。」


たまの返事を待たず車を方向転換させるCさん。かなり強引。


たまヽ(・Д・)/アワワ(←3時からお見合いなのでだめです。と言いたいが言えない。)


後ろめたさからはっきり断れない・・・仕方ない。食事なんて結構時間はかからない。


大丈夫!間に合うさ!自分を励ます。


しかし食事をしていても時間が気になって仕方ない。


食後に運ばれてきたコーヒーに殺意すら抱く。


猛スピードで飲み干す。


しかし、なおも話し続けるCさん。


目はCさんに向けつつも、Cさんの話に上の空になり、やっぱりお見合いの二本立てって無理なんだよ!とアドバイザーA&Bに怒りを覚え始めたその時。。。。私は気づいてしまった。


Cさんって、Cさんって、














笑顔がエロイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ホテルのラウンジでは気づかなかった。いや、あの時は意識してさわやかな笑顔を作っていたのかもしれない。時間が長引くにつれ、もたなくなったとでも言おうか・・・・・・


もう一回広い心で見てみよう!、(・∀・)/







エロガッパ・・・・・・・・(´Д`)


終わった・・・・・



Сさんのさわやか過ぎる風貌がみんな裏目にでている・・・・・


店を出て、適当な理由を言って○○デパートの前で降ろしてもらう。


「いい返事を期待しています。」


さわやかな(エロイ)笑顔を残し、走り去るCさんの車。


もう心は決まっているたま。


一応Cさんの車が見えなくなるまで見送ってから時計を見る。


午後2時50分。 相談所まで歩いて15分。


ころさんとのお見合いは午後3時から。


ヽ(゜Д゜)/ウヒョョョ~


タ タクシー いや、道が混んでいる、乗ったらだめだ。


走るしかない。でも私はいまひとりではない。誰かいる・・・


誰かいる・・・・













ミッキーマウス・・・・・・・・(デカイ)



コイツを連れて走るのか?しかも今日はかかとの高いミュールを履いている。


どこかに置いて・・・・だ だめだ・・・・


ここは人の多い街中。


ニュースの少ない地方都市。





○○デパートの前に!

爆弾を仕掛けられたミッキーマウスのぬいぐるみが!?

目撃情報! 容疑者は女!


大本命のころさんとのお見合いを前に不審人物にはなりたくない。











は はしれ――――っ!ε=ヾ(;゜□゜)ノ




時はゴールデンウィーク真っ只中。 夏のような暑さ。


ミッキーマウス(デカイ)を抱え街中を疾走するたま。


息を切らし相談所へ駆け込む。


相談所のスタッフたちがにわかに立ち上がり、「たまさん!」「間に合った!」などと騒ぎ出す。


アドバイザーAが駆け寄る。


「Aさん、こっこれ・・・・」


息を切らしながら、ミッキーマウス(デカイ)を差し出すたま。


アドバイザーA「わかりました!お預かりします!」


アドバイザーAの手にしっかりと手渡されたミッキー。


その後ミッキーは、スタッフからスタッフへとリレー式に手渡され、見えなくなってしまった。


「間に合った・・・・」そのまま倒れ込みそうになるたま。


アドバイザーA「たまさん、しっかり!ころさんもうお待ちよ!息をととのえて、行くわよ!」


そうだった。瀕死の患者のいる病院へ薬を届けにきたわけではなかった。


気を取り直し、ころさんの待つ応接室へ!(・ω・)/




「失礼します。」アドバイザーАに伴われ、応接室に入っていくたま。


そこで見たものとは・・・・・・・・


静かにソファに腰掛けるころさん・・・・・


そしてその横に付き添う担当者・・・・・担当者・・・・・?


ころさんを懸命に気遣っている様子の担当者・・・・それは















アドバイザーB・・・・・




お お前かよ───!!銀行員Cさんとおなじじゃねーかぁ!!!



数時間前のメンバーのうち、ころさんだけが入れ替わるといった状況でお見合いは始まった。


そ知らぬ顔でたまに「はじめまして。」と言うアドバイザーB。


自己紹介が終わったところで見計らったようにドアがノックされる。


「失礼します。」という声とともに、若い女性スタッフが・・・・・・・



Σ(゜ω゜)








お前もか―――!!お前もグルか――――!!


お茶を出すひとまでおなじとは・・・・・


いくらなんでも居たたまれない気持ちになってくる・・・・・


・・・・・ということは・・・・・・・・・・・


湯呑みの蓋を開ける。 ぱかっ・・・・・・








お前か――!!やっぱりお前なのか――!!桜湯、貴様ぁ――!!!



アドバイザーA「まぁ!桜湯!(←知ってるくせに)」


アドバイザーB「ほんと、おめでたいですわね~みなさん、いただきましょう!(←さっきも言った)」


たま(もう飲めね―よ!)


桜湯→ラウンジで紅茶(ポット)→食事→食後のコーヒー→桜湯


もう水腹じゃい!(←広島弁)


この後もまだまだ続くのか~?(´Д`)



それから、数時間前とおなじく、たまを褒めちぎるアドバイザーA、ころさんを褒めちぎるアドバイザーB。


そしてお決まりの締め言葉。



アドバイザーA&B「ほんとうにお似合いのおふたりですわねぇ~」







うんざり・・・(´Д`;)



肝心のころ(もう呼び捨て。現・旦那なので)はというと・・・・・


アドバイザーA&Bのお決まり文句の連発を適当に流しながら、黙って、ジ―ッっと、


それこそ穴が開きそうなほどジ―――――――ッと、たまを観察しておりました。


ころのそういう賢さをたまも見習いたいものです。


ころは基本的に我慢強く、感情を抑えることが出来る、真面目な犬人間です。


たまは・・・勝手気ままで、怒ったり、泣いたり、でも三歩歩くと忘れてしまう猫人間です。


あのお見合いの後、順調に交際し、結婚に至りましたが、こんな二人ですので周りからは、「二年もよく続いてるね。」なんて言われます。


お見合い結婚って、結婚してからたくさんお互いのことを知るので退屈しないからかな?と思います。




ちなみにお見合い二本立ての話、結婚後、ころに話しました。


私、ころに、面の皮の厚い女とよばれておりますです。


最後に、お見合い二本立てについて。。。








  無理!



                 以上です。